なかもっちゃん
とりちゃんぶろぐ
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こんにちは。
神戸市垂水区舞多聞西、クリニックモール、なかもとキッズクリニック、院長の中本です。
まず1月15日の日本脳炎ワクチンに関してのお知らせに関して、ご迷惑をおかけすることとなり非常に申し訳ございません。充分な数の供給量になるのは4月もしくは5月あたりと聞いています。
本日はおたふくかぜワクチンとおたふくかぜに関しての話をします。昔は自分も幼少期おたふくかぜに隣の子がかかっていたらもらっておいでもらっておいでなどという時代もありました(一部ですけど。。)。
いま考えたらこのようなことはあぶないあぶない。
タイトルのムンプス難聴は、突発性難聴(まだ詳細には原因不明の突発的に耳が聴こえなくなる「聴こえなど」の病気)と同様に急に発症する、感音性難聴で、原因がまだ詳しくはわかってない突発性難聴とは違って、おたふくかぜにかかった合併症で併発し要するにムンプスウイルス(おたふくかぜウイルス)の仕業であることがわかっていますが、突発性難聴と見分けがつきにくいこともある治りにくい難聴です(多くは片側の耳の聴こえが悪くなるといった症状で、そのほかに、耳鳴りや、これは2か月くらいで治ることが多いですがめまいなども可能性がありしんどいですよね)。しかも耳の聴こえが悪くなりそれは治りにくい、と、きいただけでも重篤感がありますよね。もちろん多い合併症ではありませんがワクチンで防げるなら防ぎたいです。
突発性難聴が詳細については原因不明なのでなかなか判別が難しいのもあるのがムンプス難聴なのですが、ムンプス難聴の報告は、2004年にはおたふくかぜにかかった方に高い頻度の難聴の合併報告がされていて200人~500人程度に1人とする調査報告もあります。一般的にはおたふくかぜにかかった人の数千人に1人の割合で難聴が発生していると言われています。おたふくかぜの予防接種(ムンプスワクチン)も予防効果が高いのでというのもあろうかと思いますがその年にもよります。
おたふくかぜの合併症でこわいのは、ムンプス難聴では幼児期などに発症するとやはり自己表現むずかしいので発見が遅れるというのが1つあります。難治性なので確かにまれですがこわい合併症ですね。他にはやはり思春期以降の男性のほうが合併率が増える精巣炎があります。両側性になることは非常にまれなのですが起こすと不妊症になります。女性でもまれに起こる卵巣炎があります。膵臓に炎症が起こったり、ひどい頭痛がしたらおたふくかぜによる髄膜炎、これも合併症としてあります。
難聴の割合や、精巣炎などをきくとおそろしい合併症だなと思いますよね。
おたふくかぜが流行している時のムンプス(おたふくかぜ)ワクチンの抗体陽転率(要はかんたんにいうと予防効果や有効性)はおよそ90%とされており、「まだおたふくかぜにかかっていない、罹患していない、そしたら人生2回打ち!」とも言われておりおたふくかぜの予防効果もワクチンを2回目も打つことでさらに上がります。
残念ながらこのぶろぐを書いている時点では「接種券を使用して完全無料でできるワクチンには国は定めてない」ですがうえに書いた合併症をできるだけ防ぐためにもムンプス(おたふくかぜ)ワクチンを2回接種をお勧めします。1歳と、1歳なったばかりに1回目接種したら2回目は3歳~園の年長さんくらいがお勧めですね。
ムンプス難聴とおたふくかぜ(ムンプス)ワクチンのおはなしでした。
長文よんでくださったかたがたありがとうございました。
2022年1月15日 記載 なかもとキッズクリニック 院長 中本裕介